ETFのトラッキングエラーが発生する10の理由
【ETF TRENDS 2009.11.05の要約】
ほとんどのETFは指数におおむね連動しているが、その連動性は完全とは言えず、いわゆるトラッキングエラーが存在する。
2008年の米国上場ETFのトラッキングエラーの平均値は0.52%と報告されている。
セクターETF、グローバルETF、高配当ETFでトラッキングエラーは高く、市場全体をカバーするETFで低くなる傾向がある。
それではこのトラッキングエラーの原因はなんだろうか?
1、純資産価額(NAV):
投資家が株式のバスケット価値(NAV)よりも高くビッドしたり、低くオファーする場合、「プレミアム」や「ディスカウント」が生じる。出来高の薄いETFの場合、これがときに5%くらいになる場合もある。
2、最適化:
ベンチマークに品薄株が入っている場合、ETFのプロバイダーはこれを買わず、流動性の高い銘柄をサンプリングして指数を模倣(最適化と呼ばれる)する場合がある。これがTRの原因となる。
3、分散投資上の制約:
投信法の規制により、1銘柄に25%以上の資産を投資できない、5%以上組み入れる銘柄は全体の5割以下でなければならない、などといった規制があるためTRを生む原因となる。
4、現金保有:
配当支払い、トレーディング、などによりETFには現金を累積して保有することがある。受け取ってから再投資する際の遅延もTRの原因となる。ただしこの場合の影響度は比較的小さい。
5、指数の変更:
指数が更新された時、ETF価格が更新されていなければTRの原因となる。
6、キャピタルゲインの再投資:
税引き後のキャピタルゲインの再投資は、指数とETF価格のパフォーマンスの差を生み、TRの原因となる。
7、証券の品貸し:
証券をヘッジファンドに貸したり、空売りに用に貸し出して品貸料を得る場合がある。この場合は収入となりTRを和らげる役目がある。
8、通貨ヘッジ:
市場のボラティリティーや金利差が通貨フォワード価格に影響を与えるため、為替のヘッジコストを左右し、TRの原因となる。
9、先物のロールオーバー:
プロバイダーは定期的に先物の乗り換え(ロールオーバー)を行う。その際の限月間の先物価格によっては、TRを大きくしたり、小さくしたりする作用がある。
10、持続的なレバレッジ:
レバレッジETFやインバース(ショート)ETFは、指数の動きに2倍や3倍連動させるため、スワップ、フォワード、先物などを利用する。これらはルール上日次ベースで行われてプライシングされるが、ETF価格は必ずしもこれと連動せず、これがTRとなる。
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